それら全てが味に作用する/砂漠のバウムクーヘン

 

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夜の帰り道の出来事だった。

コンビニでアイスを買った。

セブンイレブンプライベートブランドのちょっと高くて

美味しそうなやつ。

 

 

歩きながら食べた。

食べ終わって、そして気付いた。

 

 

ヤベェ、味わかんねぇ。

 

 

 

セブンイレブンのちょっと高くて美味しそうなやつだったのに

味がよくわからなかったというか、覚えてないというか

印象に残っていなかったのだ。

 

セブンイレブンのちょっと高くて美味しそうな

アーモンドアイスバー〜ほうじ茶味〜みたいな

スゲェうまそうなやつだったのに。

味わかんないってある? 

 

 

 

これ、実は原因はわかってるんです。

理由は二つある。

 

 

1、歩きながら食べたから

歩きながら食べるもの、全然美味しくない。

食べ歩きの店ってあるけど、実際食べながら歩くのはよくない。

川越で美味しいスウィーツにありついても

必ず店前で食っちゃった方がいい。

砂町で美味しい焼き鳥に出会っても

その場で平らげた方がいい。これは絶対。

片手で食べれるのを想定した食べ物はあっても

歩きながら食った方が美味いものなんてない。

 

あるわけねぇだろ?

 

 

2、暗がりで食べたから

 

暗いところで食うもの、何もうまくない。

口に入れる前に必ず視界に食べ物があるはずなのに

その工程が夜、外で食べるとない。

 

視覚から来る食事の情報がない。

チーズがとろけるピッツァも、

肉汁溢れるステーキも、光沢感のある寿司も

夜の外じゃ全部グレー。

 

「できたてのうちに食わないでペチャクチャ喋って

料理パサパサにするやつ嫌だよね。わかる〜」とか

そんな低次元の話はどうでもいい。

 

つまり、

味の良し悪しが案外製作者の介在しない/意図しないところで

たくさん変化しているということである。

(ここでは食べ合わせ/マリアージュの話は割愛する)

 

想像してごらん。イマジン。

 

まっ暗くて寒いところで食べる寿司。

 

体調が悪い時に食べるサーロインステーキ。

 

走りながらすするラーメン。

 

めっちゃイライラしてる時に食うグミ。

 

砂漠でバウムクーヘン

 

全然美味しくないよね?

難しいもんだ。

でもネガティブな話だけじゃない。

逆に、状況次第で味がドチャクソ美味いと感じることもある。

これを私はファッションで使われる言葉の

TPOに加えてP(Person)を入れたい。

 

Time

遅い時間に食べるカップラーメン。

寝覚めと共に飲むコーヒー。

 

Place

日差し差し込む暖かなテラスで食べるクロワッサン。

ディズニーランドで食べるチュロス

ゲレンデで食べるカツカレー。

雪が降りしきる富山駅のホームで食べる立ち食いそば。

(鼻水がダシ汁に落ちるくらい寒かった。もうないけどなんかスゲェ良かったんだよなー。今みたいに建物の中じゃなくて普通にホームでさ、白い息とそばの湯気でモックモクでさ。んで横に鳩とかいんの、片足ない鳩)

 

Occasion

仕事終わりに流し込むビール。

酔っ払った時に食うラーメン。

エッチした後、別れてから1人で食べる牛丼。

 

Person

仲間と飲むビール

仲間と飲むビール

仲間と飲むビール

 

 

 

すみません。ビール1つください。

 

 

 

 

結論:セブンイレブンのちょっと高いアイス買った時は

家に帰って暖炉の前のソファに座って食べた方が美味い。

暖炉ないけど。