パラダイスの住所

 

パラダイスってあるじゃないッスカ

 

パラダイス

楽園 天国 エデン 快楽の都

そんなパラダイスにいつだっていたいと思う。

「パラダイスの住所」について書くのであれば

「どこ」がパラダイスなのか?ってな話なのだけれど、

このぼんやりした言葉に実像を持たせる前に

パラダイスと人との距離について考える。

 

パラダイスがあると仮定して

・まず人はそこが「どこなのか何なのか」を考える。

つまりワッツパラダイス・ウェアイズパラダイス

つまりまだ5W2H的な要素を思案している状態。

どこか場所なのか、何かを享受している時なのか、

誰かと何か行為をしている時なのか、云々。

・そしてそこに向かう状態が起こる。

つまりトゥーザパラダイス

場所に向かったり、お金を稼いだり、時間をかけたり、

目的地を見つけて準備をする時間。

・そしてそこにたどり着き、パラダイスに迎えられる。

つまりインザパラダイス

インザパラダイスがベストなわけだけど、

いつだって人はその3種類のどこかにいて

そこをグルグルグルグル周回している。

(そして悲しきかな。パラダイスは過ぎ去った後に

「あ〜パラダイスだったな」と思うことが多い)

 

 

これを平たく言うと「何してる時が幸せか」って話。

それを思い返して再実行してければ、延々とインザパラダイスなのでは?

仰々しく書いているけど、そういう平べったいことを思いついただけなのである。

 

・酒はどうか?

お酒はよくパラダイスに連れてってくれるけど、

のちの二日酔いを考えるとプラマイゼロだし、

うまい酒を飲んでいるかより、誰と飲んでるの方が個人的には結構重要なので

てことは酒ってパラダイスに向かうための手段でしかない。

 

大麻やドラッグは?

やったことないからピエール兄さんや沢尻先輩に聞いてみないとわかんないので

ここでアンサーは出ない。でもお上がやっちゃいけないっていうから

やっちゃいけないんじゃない?

 

・ギャンブル?あれ、パラダイス=依存性がある?

ギャンブルもあまりやらないからわからんけど、近い印象を受ける。

こう並べると依存性のあるものとパラダイスってネイバーフッドなんだな。

書いてて「いやそんなことわかっちゃいるけど」って思う。

もう書くの辞めてシコって寝ようかな。

 

・性愛/セックス

エロいこともいいよね。

エロいことしてる時ってパラダイスだよ。

ソファに「女・男・女」で座ってる時も

いい時間だなって思う。

 

段々俗っぽい話になってきたからもういいや。

他にも食事・睡眠・嗜好品・好きな映画アニメ

人の数だけパラダイスの形式があるはず。

んで、そこからさらに突っ込んだことを言うと

それらのパラダイスの中で満たされていると

その中にもっと具体的なパラダイスの在り処が見えてくるはず。

(それを感度が上がっているのというのが正解なのか

下がっているのが正解なのかちょっと難しいところである)

実例を挙げると、

「レコードが好き」から「いいスピーカーでレコード聴くのが気持ちいい」になったり

「アニメが好き」から「このアニメーターの作ったシーン見るのが好き」になったり

「ビールが好き」から「夏の仕事終わりに飲むスーパードライが好き」になったり

「セックスが好き」から「対面座位やってる時がいい」になったり

「タバコがうまい」から「ラーメン食った後のタバコがうまい」になったり

「麻雀が楽しい」から「オーラス辺三萬を一発ツモ三色裏ドラで6000オールが気持ちい」みたいな

広義から狭義へ、より具体的なパラダイスの住所が現れるでしょ?

25過ぎたらみんな大抵そうでしょ?

住所がどんどん具体的になったらそこに向かうのに

前より時間がかかるようになる。

東京から新宿区は落合のなんとかマンションの何号室

そうやって厳密に決められたとこまで行かないと

パラダイスを享受することができない。

昔は東京に入るだけで良かったのに。

まじ切ないよね。

 

更にやばいのは、そのパラダイスの住所が

「過去」にしかない時。

楽しかった学生時代。愉快な高度経済成長期。

別れた恋人との交際時代。などなど。

あーもうそうなっちゃったら大変だよ。

 

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そんな切ない気持ちがこんなコラージュになったのさ。

 

最後に漫画家・松本大洋の書いた戯曲

「メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス」を紹介したい。

 

メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス

メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス

  • 作者:松本 大洋
  • 出版社/メーカー: フリースタイル
  • 発売日: 2000/05/01
  • メディア: 単行本
 

 

4人のトラック運転手が1軒の店でだべる物語なんだけど

読後感がとても良いのでお勧めである。内容はほとんど忘れたけど。

今回の記事はこの作品から着想を得ている。内容はほとんど忘れたけど。

 

松本大洋の作品内でよく出る名セリフで

「ソコカラナニガミエル」というのがある。

有名なのは「鉄コン筋クリート」だけど

花男」でも出てくるセリフである。

 

このセリフとパラダイスの住所の話を掘り下げていったら

もっと高尚な記事が続きそうだけど、もう肩凝ってきたのでここまで。

あとは自分で考えて

 

 

 

p.s

 

幼い頃の、絶対もう戻れないパラダイスといえば

金沢市にあった「ルネス」というプール施設。

(10年ほど前に閉館)

室内から外へと1周する巨大な流れるプールや

今となってはいなたく見えるゲームセンター

タウンページのような分厚い歌本で音楽を検索して

数字を打ち込むクラシックなカラオケ施設。

クッソダサい館内着、レストランでカレー・ラーメン・そば・うどん

どこを取っても90年代感で最高だった。

そして十数年後、私は奇跡的に「ルネス」という

赤羽のガールズバーに出会うことで、

パラダイスの住所は更新されるのであった。

 

ここがま〜ファビュラスなガールズバーだったんだけど

この話はまたこんど。